■薄毛にはニンニク?育毛剤開発に期待
2006.09.25
血管を広げる作用がある一酸化窒素(NO)が血管の細胞内で増えるメカニズムを、京都大工学研究科の森泰夫教授(生物化学)らのグループが解明。ニンニクのにおい成分アリシンなどでもこのメカニズムが働くことを確認した。NOを増やして血流を改善することで、薄毛解消の育毛剤開発や狭心症治療につながる成果という。
米科学誌「ネイチャー・ケミカルバイオロジー」(電子版)で25日(日本時間)発表した。
血管内側の内皮細胞でNOが作られると、血管の外側の平滑筋細胞がゆるんで血流が増えることが分かっているが、NO合成に必要なカルシウムイオンがどのように細胞内に取り込まれるのか分からなかった。
森教授は、細胞膜にある通路状のタンパク質イオンチャンネルの一つ、TRPC5に注目。NOが結合すると通路の穴が開き、カルシウムイオンを取り込み、NOが産生されることを人間の細胞の実験で突き止めた。いったんNOが作られると、TRPC5の通路の開放とNOの産生が次々と連鎖して起き、細胞内に一気にカルシウムイオンが取り込まれることも分かった。
また、TRPC5は、ニンニク含有成分が変化してできるアリシンと結合して通路を開けることも別の実験で確認。ニンニクに血流改善効果があるのは、このためではないかという。
森教授は「血流を改善する治療薬の標的として、TRPC5は非常に有望。NOは脳の記憶や学習、免疫機構にもかかわっており、TRPC5の役割が注目される」と話している。
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