■育毛!薄毛!ジェネリックとは?
医療用医薬品には内容成分やその効き目がまったく同じにもかかわらず、価格に大きな開きが生じているケースが多々あります。
この価格差は一般的に見られる、食品メーカーや服飾メーカーの値引き合戦とはまったく違った仕組みによります。
医療用医薬品は、最初に開発・発売された新薬を「ブランド」、新薬の特許が切れた後に厚生労働省の承認を得て、他の製薬会社がコピーし発売する後発品を「ジェネリック」または「ジェネリック医薬品」と呼びます。
「ブランド」が販売に至るまでの開発費は数百億円に上る事もザラです。
開発期間で言えば数十年を費やす事もあります。
販売までこぎ付けた場合、それまでに掛かった膨大な開発費が価格に反映される訳ですから、「ブランド」の価格は必然的に高くなります。
対して、「ジェネリック」はそれだけ膨大な開発費と時間を費やした「ブランド」をコピーするだけですから価格を低く設定できます。 医療用医薬品の価格に大きな開きがあるのはこのような理由からです。
「ブランド」も「ジェネリック」もまったく効果は同じです。 こうなると、消費者は当然、安い「ジェネリック」に流れ、膨大な労力を注いだ開発メーカーは「骨折り損」になってしまう問題が生じます。
そこで、WTO(世界貿易機関)は先進国に対して、薬の特許権を20年間と義務付け、その間は許可無く「ジェネリック」が市場に出回らないよう禁止しています。
ところが、インドやタイなどでは法律上、「方法特許」は認めらますが、「成分特許」は認められません。
どういう事かと言うと、製造方法さえ変えれば、内容成分がまったく同じ医療用医薬品であっても、別商品として販売できてしまう、という事です。
これが「ジェネリック」が市場に出回り、且つ安価な理由です。
当然、開発メーカーが特許権侵害で訴訟を起こすケースもあるようですが。
「ジェネリック」に分類される発毛剤・育毛剤
・フィンペシア
・フィンカー
・デュタス
・ノキシジル
などが挙げられます。
また、「ジェネリック」は明暗両面の意味を含んでいて・・・
◎「貧富の差に関わらず、医薬品の恩恵を受けられる」というメリット。
◎「開発メーカーに新薬開発を躊躇させる」というデメリット。
今後、この明暗にどう対処していくのか、経済・貿易・人道など多面的な視点から知恵を絞らなければならないでしょう。
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