■薄毛!育毛!アゼライン酸とは?
アゼライン酸-Azelaic Acid-(スキノレン)は小麦、ライ麦、大麦などの穀物に一般に含まれる天然物質、飽和ジカルボン酸の事をいいます。
アゼライン酸は新陳代謝を高める効果や、表皮細胞の角質化をもたらす効果がある為、ニキビにおこるコメドの形成に対して治療効果があり、米国の皮膚科では処方箋としてアゼライン酸がニキビ治療に使われる事も多いようです。
アゼライン酸は「酸」とはいっても、かなり弱い部類の「酸」なので、皮膚に塗布するには使い易く有用なようです。
近年では、男性ホルモン型の脱毛症に効果があるとしてアゼライン酸は注目されています。1980年代末に行なわれたフランスでのアゼライン酸についての実験では、薄毛の原因酵素である5αリダクターゼを0.2ミリモル/リットルという低濃度で抑制する事が分かりました。 さらに、3ミリモル/リットルに濃度を上げると、5αリダクターゼは完全に抑制された、と言う事です。
5αリダクターゼとは男性ホルモン型脱毛症、最大の原因と言われているジヒドロテストステロンを、代表的な男性ホルモン、テストステロンに干渉する事で発生させる還元酵素の事をいいます。
5αリダクターゼにはT型、U型の2タイプが存在するのですが、アゼライン酸は主に、このT型の5αリダクターゼの抑制に効果があり、薄毛の治療薬として注目されているのもその為です。
5αリダクターゼ抑制の代表格はプロペシア(成分:フィナステライド)です。これは5αリダクターゼのU型を抑制する事でよく知られています。
フィナステライド系育毛剤(発毛剤)とアゼライン酸を併用すれば、5αリダクターゼのT型、U型とも抑制可能と理屈上はなるのです。
T型、U型とも抑制力を示す育毛剤(発毛剤)といえばアボダート(成分:デュタステライド)ですが、副作用のリスクを考え合わせると、フィナステライド系育毛剤(発毛剤)とアゼライン酸の併用に優位性を感じます。
また、アゼライン酸に低濃度の亜鉛、ビタミンB6を混ぜると5αリダクターゼに対する抑制力が90%まで高められるといった報告もあります。
|